超GRとオレガ・オーラ感想②
新DMで実装された新システム、NEOクリーチャーとスーパーS・トリガーが姿を消し、代わりに双極篇のメインギミックが多色ツインパクトという形でパワーアップし登場した「超GRとオレガ・オーラ」。
以前、ツインパクト・パック感想で「双極の力は大地からやってくる」と説を唱えましたが、これは一体どういうことでしょうか?
恐らく、その暴走を五文明へと拡大させたバラギアラの影響で文明間の境界が揺らぎ始めたのでしょう。デュエマの五文明の元となったマジック:ザ・ギャザリングの五色では性質が近い二つの色のことを「友好色」と言いますが、新DM世界でも近しい性質を持つ文明へ向けて虹を描く様に色彩が滲み始めているのかもしれません。
或いは「外敵」が明確になるにつれ、物理的に他の文明から隔離された新DM世界の各文明がそれに対抗するため自分たちから失われた世界の要素を今の各々の文明世界に沿うよう蘇らせようとしているのかもしれません。
カード名やイラストの雰囲気から前者は恐らくレアやアンコモンの、後者はベリーレアのカード群がそうではないかと私は思っています。
では、その自らの内より失われた力を蘇らせようとしている者達を含むベリーレアカードの感想を書いていきたいと思います。
《音奏 ハイオリーダ/音奏曲第3番「幻惑」》
通常、多色カードのそれは各レアリティの最後に配置されるのですが、今弾のツインパクトカードは見て頂けば解るとおりクリーチャー側の各単色のカードと同じ並びに配列されており、このことから飽く迄もクリーチャーが主体であることが伺えます。
この《音奏 ハイオリーダ/音奏曲第3番「幻惑」》、呪文名が音奏のメタリカが奏でるであろう曲名なあたり、前述したとおり「光文明の持つ水文明的一面が発露」したもののように見えます。
また、超GRの力を与えられたクリーチャーの一体であり、光のマスターが正体不明の相手から施された力に甘んじて良いのか幻惑され、心の壁が水面のように揺らいでいる様を表しているのかもしれませんね。
《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》
公開時、マジックの有名クリーチャーに良く似ていると一部界隈で話題となった一枚。
大いなる歪み、真実の解体者と呼ばれる宇宙的恐怖存在が元ネタのようですね。
コミックでの先行登場の際は、冷たい水文明を逃れ暖かな地上生活を謳歌していたデュエルウォーリアの一人として描かれたので、そのギャップには驚かされました。
カードとしては敵味方問わない既知のリソースの再利用と、コスト指定禁止を思わせるハンデス呪文の組み合わせ。如何にも黒的な青と言った一枚ですね。
どちらもツインパクトカードが普及する現環境において見た目の印象以上に活躍してくれそうで楽しみです。
さて、サイバー・コマンド自体は新DMの頃から少しずつ復活してきている描写が為され、双極篇でもネオンクスなど現行種族と融合した個体がいましたが……彼らを生み出したサイバー都市の指導者たちはどうしているのでしょうね。闇文明の侵略で各世界が戦禍に包まれていく様をほくそ笑みながら眺めているのでしょうか。
《龍装05号 イヴィルヴィ/イーヴィル・フォース》
音楽をモチーフにした光と水のハイオリーダ
その身で攻撃を受け止める光と自然のジョウモン爺
正解の無い問いを投げかける水と闇のウォズレック
速攻と大地への送還を行う火と自然の暴走グロール…
今弾のVRツインパクトは何れも革命ファイナルの5チームを思い起こす能力を有していますが、この《イヴィルヴィ》は特に顕著で、種族に革命軍こそ持っていませんでしたが設定上おそらく「アクミ団」と深いかかわりを持ち、環境では《ドギラゴン剣》とタッグを組んで大暴れした《絶叫の悪魔龍 イーヴィルヒート》が元ネタのドラゴンギルドですね。
気になるのは彼の名前。先に登場した凶鬼型ドラゴンギルドが《龍装鬼オブザ08号》と肩書が「龍装鬼」なのに対しこちらは「龍装」のみ。何故でしょう
恐らくこれは《オブザ08号》がドラゴンギルド/マフィギャングなのに対し《イヴィルヴィ》はドラゴンギルド/マフィギャング/デーモン・コマンドと、凶器の割合が少ないからではないでしょうか。火のツインパクトの力に目覚めたことで彼はもう殆ど《イーヴィルヒート》そのものなのかもしれません。
とは言え、《イーヴィルヒート》のように革命軍にその居場所があるかと言うと……
《無修羅デジルムカデ》
もはや何体目かもわからない《阿修羅ムカデ》の派生カード。公募キャラがここまでパワーアップを繰り返し出続けるのは凄まじい話ですね。
能力は《卍 デ・スザーク 卍》でも猛威を振るった相手クリーチャーをタップインさせるもの。阿修羅ムカデが死んだとき復活させる能力を持っていたので、個人的には《卍魔刃》と取り換えてほしくもあるのですが……
まぁ、《卍魔刃》は《悪夢卍 ミガワリ》の派生カードであるということで納得しておきましょう。
ん……?
何度も復活し妨害を繰り返してきたドクターゲジスキーの切り札からリアニメイト能力がなくなったと言うことは、もしや、退場のフラグ?
《HAJIKERO・バクチック》
ビートジョッキーのGR関連クリーチャーは爆弾やミサイル、花火など「爆発物」をモティーフに選んでおり、双極篇までの彼らとは大きく印象が異なり、むしろジョーカーズに近い印象を受けます。
この《バクチック》もやはり花火の一種、爆竹をモデルにしており、長崎在住の筆者としては非常に馴染み深い姿ですね。長崎では夏、お盆にはこれを激しく鳴り響かせる精霊流しが風物詩の一つとなっています。彼が進む後にGRクリーチャーが続くのも精霊流しのようで風流かもしれません。……しれませんよね?
この爆竹を打ち鳴らす精霊流し、由来を辿ると中国の行事に影響を受けたモノらしく、そうしたことも踏まえてか「龍踊り」めいたチャイニーズ・ドラゴン的装飾や、懐かしきカツドンが振り回していたヌンチャクめいた意匠を有しています。
これを使うであろう「火の玉ボルツ」の出身地、火の国・熊本は長崎とは海を挟んだ隣県ですし、親戚の方がこちらにお住まいとか裏設定があるのかもしれませんね。
……ほとんどカードの話してねェな
さて、ベリーレアカードに関する雑文はこれまで。
レアやアンコモン、コモンは気が向いたら書いていこうと思います。
それでは