パンドラ城跡地

妄想・駄文語り

デュエル・マスターズ背景ストーリー【戦国編第二部B面】

えー、まず初めにお断りしておきますが、この記事は私がニコニコ動画に投稿していた動画のセルフパロディ的内容となっております。

もし宜しければ、動画をご覧になられたうえでお読みいただけたら嬉しいです。

 

 

お断りする迄も無いと思いますが、この記事の内容は決して公式のものではなく、あくまでもこの紫黒ゥの妄想より生まれた二次創作であることを念頭に置いて頂けたら助かります。

 

息を吸うよう比武を求める武者の子らは歓喜と興奮を覚えていました。

ナイト―――世界に君臨する、騎士達の参戦に。

数多の戦いと犠牲の果て、神々の力を以てしても完全に拭い去れなかった混乱

それを権謀と膂力を以て治め、太平の社会を築いてきた者達、ナイト。

これまで武士たちの力自慢を、旧き野蛮な因習と目端にもかけなかった彼らにも
未だ抑えきれぬ情熱が胸に在ることを知り、喜んでいました。

しかし、ナイトがその権威を示すため放つ力に武士たちは無策ではありませんでした。

魔導具

世界を新たなものに創り替えた、大いなる遺産。

今新たに鍛えられたそれをサムライは誇りとして佩き、魂を通わせました。

彼ら秩序の番人ならば、自分の勝利を求める魂をぶつけられる―――

サムライ達はそう確信し、踏み出しました。
父祖が築いた偉大なる大地へ――――

 

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デュエル・マスターズ背景ストーリー

戦国編 第二部

 

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スーパーチャンプは幾多の死闘を乗り越え決勝へと駒を進めていました。

スケールの異なる圧倒的巨体、ディルガベジーダ

神秘なる盾の力で二連斬に対抗してくるピュアランダーズ

燃える匠魂とは名ばかりの手練手管で攻めるピーカブ

異国の武術を駆使し圧倒的技巧で攻め立てる烈覇王

そして父、地上最強の天使の乱入

数千の予選出場者から選りすぐられた三十二体の本選出場者も数を減らし
遺されたのはシデンギャラクシーともう一人――――

その一方で要塞利用の流行による陣地確保・建設要員
諜報や内部攪乱など情報戦を担うシノビ達諜報員
戦場の大規模化に伴う魔導具や魔弾の大型化とそれを管理するセコンドなどなど

一つの試合に参加する実質的人数は反比例するように増大し、
多くのサムライが求める一対一の力比べではなく、
彼らの父祖が永遠に過去のものにした筈の戦争の様相を呈していました。

その流れを造りだした一端であるシデンギャラクシーは戸惑っていました。

飽き飢えた赤子の様に闘争を求める超獣達に。
父祖たちに決意をもたらした悲劇が忘れ去られていく世界に。

多くの者達が平等に知識と思想を共有できるよう整備された筈のネットワークシステム

しかし、多くの超獣達がそこに求めたのは父祖の下した尊き選択ではなく、
より即物的な熱狂と興奮。

太平の先の停滞を嫌う何者かに誘導される様、段階的に刺激は大きくなり

千年の昔、全ての超獣が獲得したはずの理性と良識は完全に麻痺し

武闘大会の名を借りた奇妙なエンターテインメントは歪に進化していきました。

多くのサムライ達は未だ武闘大会を功名をあげる機会だと認識していましたが

シデン・ギャラクシーは確かな違和感を感じていました。

 

後の混乱の中、ある理由により決勝トーナメントの対戦記録は闇に葬られています。

ただ、そこに最後まで残った八人の名だけは残されていました。

まず優勝を争った暗黒皇と超聖竜

騎士と武士を橋渡す不死鳥

聖霊

殺魔隼人の巨人

邪眼一族の王

そして、ボルフェウス・ヘヴン直系の迅雷のサムライ二人

 

まるで極神戦争の顛末をなぞる様に居並んだ戦士達

それが果たして偶然や運命なのか、或いは何者かが意図したものなのか
今はもう、それを知る者は誰もいません。

 

超聖竜―――最強の天使と、無双の竜に連なる武士。
その類希なる血筋と卓越した武功から、かつて降臨した黄金のドラゴン同様、

新たな時代を切り開く願いを託されました。

武士たちの願い。戦国武闘会を突破し真にムソウの存在となることを。

過去最大の第百回大会で騎士達が送り込んだ最強の刺客・暗黒皇
かつての不死鳥を想起させるその騎士を倒せば、超聖竜の伝説は千年を超えて蘇る
ただ、喜びに満ちた決闘の日々を求めるサムライ達は、

能天気に、そんな風に考えていたのかもしれません。

しかし彼らのもたらした熱狂は彼らが考えるよりもはるかに広く伝播していたのです。

 

そして決勝の前日―――

超聖竜の前にはナイトに打ち勝つための最強の魔導具が用意されました。

それは一度振れば終焉と言う概念そのものを発生させる

旧世界に幕を下ろした最終魔導具にも匹敵する恐るべき魔剣

超聖竜は躊躇いました。


一度振れば、己か対戦相手、必ずどちらかに終わりをもたらす兵器。


サムライとは決闘を通じ互いに理解を深め合う存在ではないのか


しかし、シデンと友情を交わした一人の忍びが彼に告げます

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それは対戦相手もまた最強の武器、“超銀河弾”を得たと言う情報と
バックアップは自分たちに任せ、全力を尽くし決勝に挑めと言う助言


シデンは考えました。相手はナイト最強の漢。

その彼が最高の出立で決勝に臨む

これに対し応えぬのは、好敵手を軽んじる礼に失した振る舞いではないかと


この超聖竜と対峙するのは暗黒皇グレイテスト・シーザー


神さえも礎に全世界を焼き尽くした最強の不死鳥の血脈を受け継ぎ、
四つの騎士の名家全ての期待を背負う存在。


その彼が、恐らく史上最大規模の魔弾を手に自らの前に立ち塞がる事実に
シデン・ギャラクシーは例えようのない歓喜と高揚を覚えさせ、
決闘を愛する者の本能が、武士の精神が、超聖竜に終焉の魔剣を手に取らせました。


そして決勝の開幕―――


既に舞台で待つ暗黒皇に膨大な魔力の高まりを感じた時、

超聖竜に最早迷いはありませんでした。


暗黒皇が駆使するのは熱情と理知に富んだ圧倒的戦術。
薔薇の魔城と、秘めた力を解き放たれた蝕みの魔弾が立て続けに襲い
暗黒魔術は煉獄へと干渉し、戦国武闘会で命を落としたナイトを呼び寄せようとしていました。


シデン・ギャラクシーは全霊を尽くしました。


魔弾を一度でも受ければ、そこでこの戦いは終わってしまう。
その前に、父祖から受け継いだ奥義をはじめ、全てを見せ、理解しあわねばならない。


せめて―――この決勝だけは――――


しかし、それより速く、煉獄より呼び出された海の王者の力により、
滅びの魔弾の力は解き放たれ、シデンは膨大な熱の中に飲み込まれます。


これで終わりか――――


ですが、死への覚悟とは裏腹に四肢は燃え尽きることなく力強く輝きます。


驚愕―――そして、困惑。


それはシデン自身もこれまで気づかなかった、地上最強の天使より受け継いだ特性


“不滅”


彼に流れる戦士の血は、彼にそれを思い至らせるより早く、

肉体を衝き動かします。


繰り出される終焉の二連撃が、暗黒皇を引き裂きます。

それはあたかも燃える十字架を背負わされているようでした。

全ての罪科を背負い処刑場に送られる聖者の様に――――


やがてシデン・ギャラクシーは我へと帰り、気づきます。
あれほど危惧した熱狂に自らも囚われ、自分の最大の理解者を、永遠に失ったことを
世界を平穏に保っていた騎士と貴族たちの権威を完全に失墜させてしまったことを


ですが今は未だ、地獄の魔弾と終焉の魔剣の衝突が生み出した莫大なエネルギーが、
時空に引き攣れを起こし決壊させようとしていることに、

誰も気づいていませんでした。


かくして待ち望まれ飽き果てられた平和な世界は全て昨日までのものとなり、
待ち望まれた飽き果てる事なき戦乱の明日が訪れたのです

 

 

 

 

 

以上、お粗末様です。

もし何時か、動画にすることがあるようなら、もっとクロニクルデッキの要素を強めにしたいですね。